鎖錠の楼閣

    一次&二次の小説やネトゲやゲームの記録記事を更新してるブログ

    Home > 僕のヒーローアカデミア二次小説 > 【僕のヒーローアカデミア二次小説】お前の熱になる【腐向け轟爆】

    【僕のヒーローアカデミア二次小説】お前の熱になる【腐向け轟爆】

    ■タイトル
    お前の熱になる

    ■あらすじ
    風邪を引いた轟君を爆豪君が見舞うお話。一応腐向けです、注意!

    ▼この作品は【鎖錠の楼閣】、【pixiv】、【Enty】の三ヶ所で多重投稿されております。

    ■キーワード
    僕のヒーローアカデミア 腐向け 爆豪勝己 轟焦凍 轟爆

    ■お前の熱になる


    お前の熱になる


    「轟、風邪で欠席だってよ」

     教室に入ってきた瞬間、切島がそう声を上げたのが、室内に居合わせた生徒全員の耳朶に届いた。
    「轟が風邪って珍しいな。あいつ優等生なのに」
    「今まで無遅刻無欠席だったのにな。勿体ねー」
    「初めての事ですし、心配ですわね……」
     クラスメイトが銘々に不安や心配、落胆や呆れの声を上げていると、不意に飯田が挙手して宣言した。
    「クラス委員として宣言する! 今日は皆で轟君のお見舞いに行かないか!?」
     クラスメイトは互いに顔を見合わせ、次の瞬間全員が了承の返答を吐き出した。
    「馬鹿馬鹿しい……馴れ合いなら手前らだけでやってろ、俺は行かねー」
     険悪な表情で舌打ちする爆豪に、飯田は勃然とした表情を覗かせ、彼の前に立ち塞がる。
    「クラスメイトが病床で臥していると言うのに、何だその態度は!? 君は心配じゃないのか!?」
    「人の心配する暇が有ったら個性磨きにでも励んだらどうだ、クソナードが! 障害になる同輩が一人減ったんだ、もっと喜べよボケ!」
    「君と言う男は……ッ!」
    「やめてよ飯田君、かっちゃん!」
     二人が取っ組み合いになりそうな雰囲気を察して緑谷が制止に入るも、その前に爆豪は「精々仲良く傷でも舐め合ってろ」と吐き捨て、教室を出て行ってしまう。
    「彼には心が無いのか……?」
     飯田が苛立ちを通り越して心配する声を落とすも、切島と緑谷は顔を見合わせて、苦笑を浮かべてしまう。
    「かっちゃんなりに、心配してるんだと思う。でも、かっちゃんは、ああだから……」
    「そうだぜ、心配すんな委員長。あいつはああ見えて、人の事は割かし考えてる方だ、割かし」
    「……君達、爆豪君の事をちゃんと見てるんだな。俺には、サッパリ分からない」溜め息を落とし、悔しそうに苦笑を覗かせる飯田。「俺もすぐカッとなる癖を治さないとな。ヒーロー失格だ」
    「すぐカッとなるだけでヒーロー失格なら、爆豪にはヒーロー向いてないな」
    「確かに!」
     切島と上鳴の掛け合いに感化され、教室には笑い声が響き始めた。
    「……ちッ」
     それを廊下で聞いていた爆豪は、胸糞悪そうにその場を立ち去るのだった。

    ◇◆◇◆◇

    「見舞いに来てくれたのか、悪いな」
     寮の轟の部屋に集結したクラスメイト一同を見て、驚きに目を瞠る轟。
     クラスメイトは皆心配そう……ではなく、物珍しそうに轟の部屋を観察している者が殆どで、数人だけが轟に声を掛けていた。
    「体調はどう? 風邪って聞いたけど」
    「あぁ、冷却の力の使い過ぎでよ、体温調整がおかしくなっちまったみたいでな。暫くしたら治るから、心配しなくていい」
    「そうなんだ」
     緑谷がホッと安堵の吐息を落としたのを見て、轟は改めて部屋に集結したクラスメイトを観察していく。
    「爆豪は来てないのか?」
    「かっちゃんは……いつも通りだよ」
    「そうか」
     言い難そうに苦笑する緑谷に、轟も小さく笑みを覗かせるのだった。

    ◇◆◇◆◇

    「じゃあまた明日、だね」
    「ああ、また明日」
     最後の客だった緑谷が手を振って退室したのを見計らい、轟は自分の手を見下ろす。
     未だに吐き出す息が白く、手は霜が降りたように、白く凍えている。
     エンデヴァーの力を使えば、こんなものはすぐに消える。
     分かってはいたが、もし全く使わずに過ごせるのなら、と考えてしまう己の思考も、確かに存在する。
     エンデヴァーを認め、母を認め、轟焦凍と言う自分も、認めた。
     けれど、心のどこかで、未だに認められない、認めようとしない自分自身も、残っている。
    「まだ凍えてんのか」
     ノックも無く、突然部屋に入ってきたのは、爆豪だった。
     驚きに目を瞠るも、轟は「……あぁ」と小さく首肯を返した。
     爆豪は横たわる轟の前まで歩み寄ると、病床の少年を見下ろして陰惨な笑みを覗かせた。
    「優等生が笑わせやがる、風邪程度で休むなんざ、ヒーロー舐めてんのか?」
    「……そうだな」
    「やけにしおらしいじゃねえか? 早く自分の力で温めればいいだけの話だろ?」
    「……」
     沈黙を返す轟の視線は、自分の右手の平の上から離れようとしなかった。
     それを見下ろしていた爆豪は、苛立ちを隠そうともせずに舌打ちし、右手を轟の眼前に近づけた。
     ボボボッ、と小爆発が幾重にも重なって弾け、轟の視界に火花が散る。
     爆発は断続して起こり続ける。それは、熱となって轟の体を温め始めた。
    「どういう理由で熱の力を使わねえのか知らねえけどな、手前がくたばってると面倒臭い事をする奴がいるんだよ」小爆発を起こし続ける手を見下ろしながら、爆豪は呟く。「殺されたくねえなら、とっとと戻ってこいよ、半分野郎」
    「……お前、これを見られるのが嫌だから、来ないって言ったんだろ?」
     全てを見透かした微笑を浮かべて呟く轟に、爆豪は頬を染めてそっぽを向く。
     そんな爆発する手を握る轟に、爆豪は思わず手を離そうと後じさり、
    「……温かいな、お前の手は」
    「温かいってもんじゃねえだろ!? 火傷するぞ手前!?」
    「……いいんだ、お前の熱で、温まりたい」
     離れるどころか、力強く握られ、爆豪は躓きそうになるも、踏み止まって、轟を見下ろす。
     小爆発を繰り返している手を握り、確実に手に火傷を負っているにも拘らず、離そうとしない轟。
     そんな轟に、呆れた溜め息を落とすと、爆豪はそっぽを向いてこう吐き捨てた。
    「……俺の力を、そんな風に使うのは、お前だけだよ」
    「……だろうな」
     それに轟は微笑を返し、爆豪はそれ以上何も言えなくなるのだった。
    【後書】
     コミックス派で且つ最新刊まで追えてなかった時に綴った作品なのですが、轟君の心象描写が割とドンピシャで嬉しかったりします(笑顔)。
     と言う訳で久方振りのヒロアカ二次小説、それも腐向けの轟爆でした。私から見た轟爆はこんな感じかなーって!
     Entyでの今月の無料配信分はこれともう一つの作品を投稿する予定です! Pixivでは久し振りの投稿になってしまいましたね! ぬへへ! 友達が轟爆を描き続ける限り、わっちも比例するように綴り続けるって話さァ!
     ここまでお読み頂きまして、有り難う御座いました! ところで私のヒロアカで最推しキャラは物間君なので、何れ物間君の物語も綴りたいネー!
    関連記事

    Comments

    post
    Comment form

    Trackback

    Trackback URL