鎖錠の楼閣

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    【神否荘の困った悪党たち】第12話 じんせいたいかんヴいあーる【オリジナル小説】

    ■タイトル
    神否荘の困った悪党たち

    ■あらすじ
    非現実系ほのぼのニートフルコメディ物語。宇宙人、悪魔、殺し屋、マッドサイエンティスト、異能力者、式神、オートマタと暮らす、ニートの日常。

    ▼この作品は【鎖錠の楼閣】、【小説家になろう】、【ハーメルン】、【カクヨム】の四ヶ所で多重投稿されております。

    ■キーワード
    日常 コメディ ギャグ ほのぼの ライトノベル 現代 男主人公

    ■第12話

    第12話 じんせいたいかんヴいあーる


     砂月ちゃんが着替えのため部屋に戻る間にニャッツさんとマナさんが部屋から出てきた。

    「おはようございます、亞贄君」いつもの白衣姿でおっとりと声を掛けてくるマナさん。
    「おはようございます」小さく手を挙げる。「ニャッツさんもおはようございます」
    「おはようニャ! 師匠が今日我輩と遊んでくれると聞いて楽しみにしていたのニャ!」タシーンッ、と足を肉球で踏み抜かれた。
    「ここでサプライズするのはしゅごい難しい事が分かりました」
    「そうそう、亞贄君~。私達からサプライズが有るのよ~」頬に手を当てて微笑むマナさん。「その人生ゲーム、ちょこっと改造しちゃったの~」
    「改造?」いつの間に。「って言うか俺の方がサプライズされちゃってた」なんてこった。
    「自分も! 自分もお手伝いしたんですよ!」
     薄い桃色のバスクシャツに茶色のニッカポッカパンツ姿の砂月ちゃんが「はいはーい!」と挙手しながら部屋から飛び出してきた。
    「僕も手を加えたっすよ!」「我輩もニャ!」「勿論あたしもだ」代わる代わる手を挙げていくラヴファイヤー君、ニャッツさん、シンさん。
    「何かしゅごい事になってそうですね」人生ゲームを眺めながら呟く。「魔のゲームと化してそう」
    「あっ、皆さんお揃いですね!」そこにふわふわと式子さんが現れた。隣にはメイちゃんも静々と付いて来ている。「皆さん楽しみにしてますから、さっそく始めましょう! 人生ゲーム!」
    「そうだね、始めようか」コックリ頷いて人生ゲームの箱を開封する。
     パッケージから出てきたのは、人生ゲームの遊戯盤ではなく、小さな地球儀みたいな装置。
    「なにこれ?」最新の人生ゲームってこんな形してるの?
    「マナちゃん、あれなに?」シンさんが地球儀みたいな装置を指差す。
    「うふふ、その名も~……人生体感VR~♪」
    「じんせいたいかんヴいあーる」
    「それを起動したら、起動した人の人生が覗けちゃうのよ~♪」
    「限りなくヤヴァい装置の筈なのに説明が緩い」地球儀から視線を皆に移す。「えーと、これ誰から起動します?」
    「では僭越ながら私から!」ぴっと手を挙げる式子さん。
    「式子さん勇気あるなぁ」感心しちゃう。
    「これで起動するのでしょうか?」地球儀っぽい装置、人生体感VRの天辺に有るボタンを押す式子さん。
     人生体感VRが輝き出し、次の瞬間には風景が一変した。
     目の前には二十代後半と思しき女性が佇んでいる。煙草を口に引っかけた、勇ましいと言う言葉が似合いそうな、ストレートロングの黒髪をなびかせる人。
     場所は見た事も無い美しい海岸。断崖絶壁の上に佇む女の人の視線を追うと、空が巨大な建造物に覆われていた。
     夕暮れに浮かぶ巨大な空飛ぶ要塞から、次々と戦闘機と思しき兵器が射出されてくる。
    「懐かしいわねぇ、若かりし頃の日色ちゃんよ」
     声は聞こえるがマナさんの姿が見えない。この場にいるのは、俺と、謎の女性と、式子さんの三人(二人と一体と言うべきか?)だ。
    「しゅごいクオリティですね」呟いて、謎の女性――恐らく何十年も前の祖母ちゃんの姿を見る。「カッコいいなー」
    「日色様、ここは式子にお任せください!」式子さんが胸を張って戦闘機に飛び掛かっていく。
    「んー、じゃあ、あたしはあの要塞を落とすわ」
     煙草を摘まむと、――祖母ちゃんが消えた。
     次の瞬間には空中に浮かんでいた要塞が粉々に吹き飛び、空一面が花火みたいに火炎が咲き乱れ始める。
    「なにこれヤヴァい」
    「わぁー、これは恥ずかしいですねぇ!」式子さんの声が聞こえる。「これ、私がまだ若かった頃の映像ですよ!」
    「式子さん、若くても姿が全然変わらないね」
    「亞贄さんってばそんな! おだてても何も出ませんよ!」嬉しそうな式子さんの声が聞こえる。「懐かしいなぁ~、ほら見てくださいよあれ! まだ傷が付いてない頃の私ですよ! わぁ~!」
    「今も傷が付いてないように思ってたんだけど」
    「も~! 亞贄さんってばおだて過ぎです! 流石に恥ずかしいですよ~!」式子さん、もしかして今頃、紙が赤くなってるのかな。
    「てかこの飛行船団ってもしかして、第二次世界大戦の頃ですか?」砂月ちゃんの声が聞こえる。
    「そうよ~、私が日本もアメリカも纏めて滅ぼそうと、十七世紀先を行く空中要塞【高天原】と、十五世紀先を行く戦闘機【天兵】を繰り出してた頃ね~」マナさんの懐かしそうな声が聞こえる。
    「視界一杯爆発しか見えないんですが」
     式子さんが霞むくらいに空が爆撃の嵐に見舞われてた。どこまで行っても爆発しているシーンしか見えない。空中要塞と言われてた建造物が何個も現れるのに、現れて一秒と経たず粉々にされていく。
    「壮観だなぁ。あっ、メイちゃん。おつまみ無い?」シンさんの声が聞こえる。
    「ポップコーンをご用意しました」メイちゃんの声が聞こえる。
    「さんきゅ~、ぽりぽり」ポップコーンを食べ始めたシンさんの声が聞こえる。
     爆発が終わらない。
    「鼓膜壊れそうなんだけど、これいつ終わるの?」
    「私の記憶が確かならば、一週間ほどこの爆撃が続いた後、マナさんが白旗を上げる筈です」式子さんの声が聞こえる。
    「祖母ちゃんが人間を超越してる事は分かりまくりだけど、マナさんも同等のヤヴァみを感じますね」
    「あらぁ~、亞贄君ったら、無理に褒めなくてもいいのよ~?」嬉しげなマナさんの声が聞こえる。
    「寧ろマナさんはもっと誇ってくださいよ。これ、尋常な人間が出来る事じゃないですから」
    「あらあら、うふふ~」
     爆発が終わらない。
    「目がチカチカするっすよ~!」ラヴファイヤー君の悲鳴が聞こえてきた。
    「そうねぇ、式子ちゃんのターンはこれで終わりにしましょうか~」
     パッと画面が切り替わり、視界が神否荘に帰ってきた。
    「若い頃の自分を見るのって恥ずかしいですね~!」やっぱり式子さんの紙の体が赤くなっていた。「あんまりじろじろ見ないでくださいね!?」
    「式子さんは今も昔も変わらない可愛さだから大丈夫だよ」コックリ頷く。
    「も~! 亞贄さん~!」へしへしと紙の手で頭を叩かれる。
    「それに、あんな若い祖母ちゃんが見れたのは、嬉しいな」
     俺が知ってる祖母ちゃんは、すげー優しそうな、落ち着いた人だから、あんな剣呑な表情で空飛んで戦う祖母ちゃんは初めて見る。
     いや、初めてじゃなかったら大変なんだけどさ。
    「つか、式子ちゃんあんまり見えなかったんだけど」ポップコーンをぽりぽり食べながら呟くシンさん。「爆発が凄過ぎで」
    「亞贄さんが見たんですからもういいんです! 次に行きましょう次に!」紙の体を赤くして空をぐるぐる回る式子さん。
     いや、本当に、昔と今でどこが違うのか全然分からないんだけどなぁ。
    【後書】
     と言う訳で人生ゲーム、もとい、人生体感VR編の開幕です!
     ところで、この物語は特に完結を目指そうと考えている訳ではなく、のんび~りと彼らの生活をいつでも覗いて楽しむスタイルで更新していきたいと言いますか、「こいつらいつ見ても何も変わらねえな……」って思える作品を目指しているつもりです。
     私が終わりたいと思う時まで続く、ちょっと変わった日常。今年もやりたい放題愉しんで参りたいと思いますので、良かったら今年ものんびりお付き合い頂けたら幸いです。
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    Comments

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    2017-01-05 04:31 
    日逆孝介 No.523
    感想有り難う御座いますー!

    始まりましたよ! 人生体感VR!w
    やばみを感じるお婆ちゃんなのです!w

    大歓迎されてばんざああああい!\(^o^)/
    のんびり更新致しますので、ほっこりお待ち頂けたらと思います!

    次回もお楽しみにー♪
    2017-01-04 23:28 
    tomi No.520
    更新お疲れ様ですvv

    始まりましたね人生ゲーム、いや人生体感VRw
    ばぁちゃんすさまじすぎですw

    そして後書です。のんびり彼らの生活を覗くスタイル大歓迎です!
    いつでもほっこりな神否荘を楽しみにしてますぞvv

    次回も楽しみにしてまーすvv
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