鎖錠の楼閣

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    【艦娘といっしょ!】第25話 阿武隈といっしょ!【艦これ二次小説】

    ■タイトル
    艦娘といっしょ!

    ■あらすじ
    ちょっと頭のおかしい提督と艦娘達の日常生活を切り抜いた短編集です。

    ▼この作品はブログ【鎖錠の楼閣】、二次創作小説投稿サイト【ハーメルン】(https://novel.syosetu.org/68881/)、イラスト投稿サイト【pixiv】(http://www.pixiv.net/series.php?id=627932)の三ヶ所で多重投稿されております。

    ▼イラストは断さん作になります。

    ■キーワード
    艦これ コメディ 短編集

    ■第25話

    第25話 阿武隈といっしょ!


    「私の名前、覚えてくれました?」

     執務室で執務に励んでいた提督の前に阿武隈が立ち開かり、興味深そうに顔を覗き込んでいる。
     提督は手を止め、「勿論覚えてるとも!」と胸を張った。
    「本当ですか!? じゃあ書いてみて!」
    「おうともさ!」
     要らない用紙を引っ張り出し、ミミズが這っているような筆跡で文字を綴る提督。
    「はい!」と言って提督が見せた紙には“あぶくま”と記されていた。
    「んんっ! そういう意味じゃないです! 漢字で書いてくださいよう!」プンスコと頭から蒸気を出す阿武隈。
    「ここで敢えて言わせて貰うけどね、私は漢字を読むのは割と得意なんだけど、漢字を書くのは苦手なんだ」ニッコリ笑顔で阿武隈を見やる提督。
    「ここでそれを言うのはズルいです! 提督! 書いてください! “阿武隈”って漢字で書いてください!!」バァンッ、と紙とペンを机に叩きつける阿武隈。
    「どうなっても知らんぞー!」と言いながらペンを掴んで再び悪筆を披露する提督。「はい! どうだ!」
     バァンッ、と机に叩きつけた紙を阿武隈が覗き込むと、そこには“亞分クマ”と綴られていた。
    「んんっ! 違います! 全然違います!! それとまさか提督、もしかして“熊”すら漢字で書けないんですか!?」驚きと呆れと戸惑いが混ざり合った声でツッコミを入れる阿武隈。
    「書ける訳無いだろ!! 私を何だと思ってるんだ!!」プンスコと頭から蒸気を噴き出す提督。
    「ぇえー逆ギレしないでくださいよう……」ドン引きの阿武隈。「提督、普段から執務で色んな漢字を書いてるんじゃないんですかー?」
    「良い事を教えてあげよう阿武隈」机に肘を突き、指を組んで、その上に顎を載せる提督。「私の執務は、書類を受け取る事、書類を確認する事、書類にサインをする事、書類を渡す事、これだけだ」キリリッ、と表情を引き締める。
    「ふえぇ……じゃあ普段カリカリ何か書いてるのって……」もう既に分かっているのだが確認を取るように恐る恐る尋ねる阿武隈。
    「私の名前だ」キリッと告げる提督。
    「そんなぁ……」ガッカリと肩を落とす阿武隈。「でも提督の名前も難しい漢字使いますよね? “オリヤ”って、“檻”と“夜”でしょ?」
    「面倒臭いからカタカナで“オリヤ”って書いてるよ」ニッコリ笑顔で応じる提督。
    「……提督、もしかして私以外の艦娘の名前も書けないんじゃ……」ジト目で提督を見やる阿武隈。
    「イエス! 当然じゃないか!」ニッコー! とサムズアップする提督。「金剛ちゃんですら危ういね!」
    「何喜んでるんですかぁ! そんなんじゃよその提督に笑われちゃいますよう! 自分の鎮守府の艦娘の名前すら書けないなんて赤っ恥も良い所じゃないですかぁ!」泣き笑いで提督の肩を揺さ振る阿武隈。「そうだ! 漢字検定受けましょう! 漢字の勉強をしましょうよう!」
    「え? 私漢検なら準2級持ってるよ」
     間。
    「……なんて?」目を点にして小首を傾げる阿武隈。
    「漢検でしょ? 準2級ホルダーだよ私」えっへんと胸を張る提督。
    「漢検準2級ホルダーが何で“金剛”すら危ういんですかぁ!!」泣き笑いで提督の肩をガックガック揺さ振る阿武隈。「おかしいじゃないですかぁ! 提督は私的にはとってもダメですぅ!」
    「何故かって? 今はこんな便利なモノが有るからね!」
     ババーンッ、と提督が見せたのは、パソコンとスマフォーンだった。
    「こういう電子機器が有るとさ、メモもこれでしちゃうし、文章もこれで打っちゃうしで、全然文字を書かなくなっちゃうよね! そう、スマフォーンならね!」ドヤァ、とスマフォーンを掲げる提督。
    「えいっ」ぺきっ、とスマフォーンをへし折る阿武隈。
    「ああああッッ!? なななな何て事をおおおお!?」へし折れたスマフォーンを見てひざまずく提督。
    「提督は文明の利器に頼り過ぎなんですぅ! これから提督は筆と和紙だけで生活してください! それなら、私的には、とってもOKですぅ!」グッとサムズアップする阿武隈。「ってあれ? 提督?」
    「あば、あばば、あばばばば……」
     へし折れたスマフォーンを握って泡を噴きぷるぷる震えながら卒倒している提督の姿がそこに有った。

    ◇◆◇◆◇

     後日、上層部に経費でスマフォーンを購入できないかと掛け合う提督の姿を目撃した者が複数人現れたが、以後スマフォーンを使用する提督の姿を見た者はいなかったと言う……
    【後書】
     漢検準2級ホルダーにも拘らず「金剛」と漢字で書けない提督がいるらしい(よそ見)。
     と言う訳で阿武隈ちゃんでした。「んんっ!」って言い方が本当に好きで私自身もしょっちゅう「んんっ!」って言ってます。違います!
     スマフォとかパソ子が有ると漢字を綴る能力の劣化が激しいなーと思う今日この頃です。漢字大好きっ子なのに、肝心の漢字が書けないと言う悲しみ。と言うか既に文字を書くと言う習慣が無いに等しい環境に一抹の不安が……
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