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    【神否荘の困った悪党たち】第9話 神否荘の夜【オリジナル小説】

    ■タイトル
    神否荘の困った悪党たち

    ■あらすじ
    非現実系ほのぼのニートフルコメディ物語。宇宙人、悪魔、殺し屋、マッドサイエンティスト、異能力者、式神、オートマタと暮らす、ニートの日常。

    ▼この作品は【鎖錠の楼閣】、【小説家になろう】、【ハーメルン】、【カクヨム】の四ヶ所で多重投稿されております。

    ■キーワード
    日常 コメディ ギャグ ほのぼの ライトノベル 現代 男主人公

    ■第9話

    第9話 神否荘の夜


    「おっ、もう返信が来た」

     ほうれん草カレーを食べ終え、自室のベッドでのんびり寛いでいると、スマフォがヴァイブレーションで着信を知らせてきた。
     ラインを開くと、友達であるナモからの「引っ越しって急杉やろ、ちょっと様子ミニ行っていいか?」と誤字だらけの文章が見えた。
    「良いぞー、っと」スマフォをタプタプして返信すると、すぐに「ついたで」と着信が来た。「早過ぎわろた」
     自室を出て、玄関へと向かう道すがら、式子さんが玄関の近くでふわふわ飛んでいる事に気づいた。
    「式子さんどうしたの?」近寄りながら声を掛ける。
    「あっ、亞贄さん」俺に気づいて困った風に腕を組もうとしているが、手の長さが足りず届いてない。「それが、神否荘の前に不審車が止まってまして……」
    「あっ、それ俺の――」友達だよ、と言う前に式子さんが、「ここはあらゆる組織、国家、宗教と独立した空間ですから、不審者は超法規的に抹消する事になっているのです」と宣言したので慌てて「友達です俺の友達マイフレンドノーキルノーバトル」と早口で言った。
    「亞贄さんのご友人でしたか! し、失礼しました! 今すぐ超法規的手段を撤回しますね!」と式子さんが何か不思議な踊りを踊ったかと思った次の瞬間、目の前に俺の友達であるナモ――奈森華斬(ナモリ カザン)が落ちてきた。
     黒髪を短く切り揃えた糸目の男で、ちょっと小太りの大人しそうな、俺の唯一の友達だ。
    「ナモ、大丈夫か?」と言って、倒れているナモの前でしゃがみ込む。
    「死ぬかとおもた」倒れたまま動かないナモ。「にーさん、これはどういう事なんだ? 俺は遂に主人公としての力を体現してしまったのか?」
    「どんな目に遭ったんだ?」
    「全身が分子レヴェルで粉々になって、再構成した感じ」
    「お前よく意識保てたな」
    「あぁ、やはり俺には主人公としての器が有ったようだ」
    「取り敢えず普通に元気だなお前」
     立ち上がらずにその場に座り込むナモ。その視線の先には、式子さん。
    「にーさん、お前いつの間に陰陽道齧ったんだ?」
    「式子さんは俺の式神じゃないよ」
    「何を仰いますか! 私は亞贄さんの遣いですよ!? つまり亞贄さんの式神です!」ぷんすこと頭から蒸気を発する式子さん。
    「式神はああ言ってるが」ナモが俺に視線を向けた。
    「説明難しいからそんな感じで」
    「雑過ぎるだろ」呆れ果てた様子のナモ。「すげーな、この非日常感。これあれだろ? 友達が非日常に入ってるのを俺が助けるヒロイックストーリーなんだろ?」
    「ナモが二次元脳で今しゅごい助かってるよ」
    「おっ、そうだ、お前が頼んでた品、届いたから持ってきたんだよ」と言って立ち上がると、「あれ? 俺の鞄知らない?」と振り返るナモ。
    「いつもの鞄か?」
    「そうそう」
    「お前が今落ちてきた時には持ってなかったけど」
    「じゃあクルマの中かな」
    「クルマどこに停めたんだ?」
    「神否荘の前」
     玄関から外を覗くも、クルマの影は見えない。
    「無さそうだけど」
    「おっほ、盗難されたかな」全然困った風に見えないナモ。
    「あっ、ご友人のクルマなら今異次元に放り込まれてますよ」式子さんがふわりと俺の周りを舞った。
    「異次元」
    「すげーな異次元か」感嘆の声を上げるナモ。
    「今スキャンを終えたので戻しますね! はい!」
     ガシャンッ、と玄関の外に何か重たいモノが落ちてくる音が聞こえた。
    「嫌な予感がノンストップだぜ」よく見たらナモが土足のまま玄関を降り、神否荘の入り口に向かうと、「おう、しっつ! バンパーが凹んでる!」悲鳴が聞こえてきた。
     玄関に、今度は靴を脱いで戻ってきたナモの手には、大きな細長く平たい箱が。
    「てかこれどうすんのにーさん? そこの式神とするのか?」
     箱にはこう記されている。“人生ゲーム”と。
    「えーと、ザックリ説明すると、俺ここの管理人になったから、ここの住人と親睦を深めるために、それで遊ぼうと思って」
    「よく分からんが頑張れよ」人生ゲームの箱を手渡すと、ナモは「また何か入用になったら声掛けろよな」と手を振って玄関を出て行った。
    「じゃーなー」と手を振って見送ると、俺を見つめる式子さんに気づいた。「どうしたの?」
    「あの……失礼を承知で申し上げますが、あのご友人は、信頼できるお方なのですか?」申し訳なさそうに俯きながら上目遣いに尋ねる式子さん。
    「あぁ、ナモは小さい頃からの幼馴染でさ、信頼できる奴だと思うよ、たぶん。俺の唯一の友達だし」
    「でしたら、差し出がましい事と思いますが、ご友人に護衛を付けさせて頂きますね!」と言うと、式子さんが突然二人に増えた。「神否荘の関係者と言うだけで、不埒な輩に狙われないとも限りませんから、念のため、ですが! 宜しいですか……?」
     なるほど、神否荘の関係者ってだけで狙われる可能性が有るのか。
    「うん、そうしてくれると有り難いかな」コックリ頷く。「俺の友達にまで気を遣ってくれて、ありがとね」
    「とんでもないです! 亞贄さんのご友人なのですから、これぐらい当然です!」ピッと敬礼する式子さん。「式子二号、ごーっ!」と式子さんが式子二号さんを飛ばした。「行ってきまーす!」と式子二号さんは式子さんと同じ声で玄関から飛んで行く。
    「式子さんって分身できるんだね」
    「はい! 最大で二百億体まで分身できますよ!」得意気に胸を張る式子さん。
    「しゅごい。質量保存の法則を凌駕するんだ」
    「えっ、それだけ私の厚みが無くなっていくんです!」
    「あっ、そうなんだ。二百億体にまで増えたらペラッペラになりそうだね」
    「ところで亞贄さん。その人生ゲームって、もしかして私達のために……?」
     人生ゲームの箱を見下ろしながら呟く式子さんに、俺は「うん、俺なりに出来る事を考えてみたんだけど、皆で毎日遊んで暮らせたら、きっと楽しいだろうなーって思って」と笑いかけた。
    「住人のためにそこまで想いを馳せてくださるなんて……っ」式子さんの瞳がウルウルと潤み始めた。「貴方が神でしたか……っ」
    「人生ゲーム買っただけで神扱い」
    「今、皆さんを呼んできますね!」
    「待って待って、今日はもう遅いから、明日にしよう明日に」式子さんの体を掴んで制止する。「ラヴファイヤー君も朝早いし、帰って来てからでも遅くないよね?」
    「愛火さんの事まで気に掛けるなんて……っ、亞贄さんは菩薩の生まれ変わりですか……っ?」涙が止まらない式子さん。
    「そこまで崇め奉られると逆に怖いよ」思わずてへへと笑っちゃうけど。「そういう訳だから、また明日声を掛けるよ」
    「分かりました! それではおやすみなさい!」ぺこりと頭を下げて、ふわふわ飛んで行く式子さん。
    「おやすみー」手を振って見送り、俺も自室に戻る事に。
     時刻は夜の十時過ぎ。普段は寝る時間も起きる時間もまちまちで、今日は昼寝もしてたからあんまり眠くない。
     ……少しだけネトゲをしてから寝ようかな。
    【後書】
     亞贄君の友達と言うだけあってやっぱりどこかおかしい人です(よそ見)。
     と言う訳で夜も更けて参りました。次回の深夜のお話を以て一日が終わります。長かったー。どうかお楽しみに!
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    Comments

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    2016-12-03 14:52 
    日逆孝介 No.459
    感想有り難う御座いますー!

    お待たせ致しました!w ナモさんアレだから、主人公の器だから大丈夫!w(よそ見
    マトモな人がいませんからねwwナモさんが馴染んでるのは、主人公の器だか(ry
    深夜お楽しみに!w やっと一日が終わりますぞー!

    次回更新もお楽しみにー!
    2016-12-03 10:15 
    tomi No.457
    更新お疲れ様ですvv

    待ってましたよ神否荘! とりあえずナモさんが無事で何よりですw
    あらためて神否荘の凄さを実感させられたお話でしたw
    まぁ、普通に溶け込んでるナモさんもすごいなって思います。
    深夜…たのしみですわーw

    次回更新も楽しみにしてまーすvv
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